カメラのレンズを探している時間が、私はけっこう好きです。どんな写真が撮れるんだろうと期待がふくらむ一方で、「また散財してしまうのか」という後ろめたさも少しある。でも、その背徳感すらどこか非日常の楽しみで、ちょっとクセになっている気がします。
本気で買おうと思っている時のウィンドウショッピングほど、楽しいものはありません。買う気もなく雑誌で車を眺めるより、「買うと決めて、この予算の中でどれにしようか」と真剣に迷っている時間が一番楽しい。レンズ選びも、それとよく似ています。同じように感じる人は、きっと私だけではないはずです。
今回は、子育てパパの私がSony α7IVで実際に使っている3本のレンズを、「子どもを撮る」という視点で正直に書いてみます。スペック比較記事ではなく、実際に小さい子どもを追いかけながら撮ってみて、どう感じたかの記録です。
この記事でわかること
- 子育てパパがα7IVで実際に使っている3本のレンズと、その使い分け
- 「子どもが近くで動き回る」とき、レンズ選びで何が起きるのか
- ボケ重視の単焦点・万能ズーム・ポートレート単焦点、それぞれの正直な使い心地
- これからα7IVで子ども撮り用のレンズを選ぶ人へのヒント
いま使っている3本
まず、私がα7IVで使っているレンズは次の3本です。
- ZEISS(ツァイス)Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(型番:SEL55F18Z)── ソニーとツァイスの協業による単焦点
- TAMRON 20-40mm F/2.8 Di III VXD(型番:Model A062 / ソニーEマウント用)── 広角から標準までの大口径ズーム
- SONY FE 85mm F1.8(型番:SEL85F18)── いわゆる「無印」のポートレート向け単焦点
同じ「子どもを撮る」でも、レンズによって得意な場面はまったく違いました。1本ずつ、実際に使ってみた感想を書いていきます。
① ZEISS Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA ── ボケはきれい、でも近づけない
最初に紹介したいのが、ツァイスの55mm単焦点(SEL55F18Z)です。とにかくボケがきれいで、背景がやわらかく溶けてくれます。被写体だけがすっと浮かび上がるので、ポートレートにはぴったりのレンズです。
ただ、子ども撮りという点では、ひとつ大きなクセがあります。近接撮影が苦手なのです。小さい子どもと2人きりでいると、子どもはどんどん自分の近くに寄ってきます。その距離だとピントが合わず、せっかくのシャッターチャンスを逃してしまうことが何度もありました。
逆に言えば、少し離れたところから撮れる場面では本領を発揮します。被写体にぐっと寄った1枚も撮れますし、ほんの少し引けば、その場の雰囲気ごと切り取ることもできます。「子どもと一定の距離が保てるとき」に持ち出したい、そんな1本です。
② TAMRON 20-40mm F/2.8 Di III VXD ── 今のところ、これで困らない
正直、いま一番出番が多いのがこのタムロンの20-40mm(A062)です。理由は単純で、どんな場所でも使いやすいからです。
このレンズの一番の強みは、広角端が20mmから始まること。検討していたとき、他社の標準ズームは24mmや28mmスタートのものが多く、20mmまで撮れるのはかなり貴重でした。広い室内でも、子どもと一緒に景色を入れたいときでも、この4mmの差が効いてきます。
しかもF2.8通し(ズーム全域でF2.8が使える)で、明るさに余裕があります。広角から標準までをこれ1本でまかなえるので、レンズ交換のためにシャッターチャンスを逃すこともありません。
子ども撮りで助かるのは、近接撮影もできること。一緒にお散歩しているとき、子どもの小さな手元にもしっかりピントが合います。先ほどのツァイスが苦手だった「近い距離」を、こちらはちゃんとカバーしてくれます。
色味もきれいで、オートフォーカスも十分に速い。そして軽いので、一日持ち歩いても全然疲れません。今のところ、このレンズで困ることはほとんどない、というのが正直な感想です。
③ SONY FE 85mm F1.8 ── 一人で連れ歩くより、誰かと一緒のときに輝く
3本目のソニーの85mm(SEL85F18)は、「ポートレートならコスパ最強」と評判のレンズです。実際に買ってみて、確かにその通りだと感じています。ただ、子ども撮りという点では、使う場面を選ぶレンズでもありました。
苦手なのは、小さい子どもと2人きりで出かけるとき。85mmは被写体とある程度の距離が必要なので、近くでちょこちょこ動く子どもには、なかなかピントを合わせきれません。この組み合わせだと、正直まだ出番は少なめです。
逆に、家族みんなで出かけるなど、誰かと一緒のときには大きな戦力になります。子どもの相手を任せて自分が少し離れた位置に回れるので、インパクトのある、きれいな1枚をしっかり残せるのです。先日、家族で菜の花畑に出かけたときに撮った写真は、背景の菜の花がやわらかくボケてくれて、自分でもとても気に入っています。
しかも軽いので、カバンにそっと忍ばせておくのもおすすめです。「今日は出番がないかも」という日でも、ふとした瞬間にこのレンズが活きる場面はやってきます。今は2人きりだと出番待ちですが、これからじゅうぶん活躍の場がある——そう思える1本です。
……と、ここまで書いておきながら、早くもSONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(型番:SEL70200GM2)が欲しくなってしまっているのだから、我ながら困ったものです(笑)。これも、レンズ沼の入り口の楽しさ、ということにしておきます。
まとめ:今の子どもとの距離で選ぶ
3本を使ってみて思ったのは、子ども撮りのレンズ選びは、スペック表よりも「今、自分の子どもとどのくらいの距離で過ごしているか」で決まる、ということです。
子どもと2人きりで動き回る場面では、近接に強くて軽いタムロンの20-40mmが頼りになります。少し距離が取れる場面ではツァイスの55mmのボケが活きて、家族みんなで出かけるときや、もっと離れて撮れるようになれば、SONYの85mmが主役になる。子どもの成長や、その日の状況に合わせて、主役のレンズも入れ替わっていくのだと思います。
もしこれからα7IVで子ども撮り用のレンズを選ぶなら、「明るさ」や「ボケ」だけでなく、今の子どもとの距離感を一度思い浮かべてみてください。それが、後悔の少ないレンズ選びにつながるはずです。そして願わくば、レンズを選んでいるあのワクワクする時間も、一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

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