メイテックネクストの登録画面を開いたまま、踏み切れずに何日か置いていませんか。
私はそうでした。まだ転職を決めていないのに登録していいのか。面談で何を聞かれるのか。分からないことばかりで、手が止まります。
やっかいなのは、エージェントは会社ごとに、聞かれることも面談の長さもまるで違うことです。登録段階では、その先が見えません。
準備せずに入ると、聞かれるがままに答えて終わります。私は1社目で実際にそうなり、希望とずれた求人が届き続けました。
現役の半導体プロセスエンジニアである私が、メイテックネクストに登録して面談を受けてきました。
結論から書きます。この面談でいちばん学んだのは、求人の情報ではなく「会社を選ぶのではなく、自分の役割を選ぶ」という考え方でした。
この記事では、登録から面談までに実際にあったことと、言われて厳しかった言葉を、そのままご紹介します。
読み終えるころには、面談までに何を用意すればいいかが決まります。ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 登録にかかる時間と、入力する項目
- 面談は何分か。働きながら受けられるのか
- 「転職活動はキャリアのチューニング」という考え方
- キャリア採用で通る言い方と、通らない言い方
- 業界の外から半導体に入れるのか、現役目線での本音
結論:先に3つだけ
長くなるので、答えを先に置いておきます。
この記事の結論
- 登録は3分。そのぶん、面談で1時間かけて聞かれる
- 「最終的に転職しなくたっていい」と言われた。中立で話せる相手だった
- ただし「初心者として入ります」では通用しない、とはっきり言われた
3つ目が、この面談でいちばん厳しく、いちばん役に立った話でした。
登録は3分。入力したのは、たった2つでした
まず驚いたのが、登録のあっけなさです。
入力したのは生年月日と、いまの仕事の情報だけ。学歴は大学名を書いただけで、学部も卒業年も聞かれませんでした。迷うところが一つもなく、3分で終わりました。
ちなみに職種の選択肢には「プロセス開発」も「生産技術」もありました。製造業の職種の並びは、きちんと用意されているという印象です。
| メイテックネクスト | 前に登録した別のエージェント | |
|---|---|---|
| 登録の時間 | 3分 | 20分 |
| 入力項目 | 生年月日/大学名/いまの仕事 | 学歴・学部・卒業年月・勤務期間・電話番号など多数 |
| 年収の入力 | なし | あり(ここで手が止まりました) |
| つまずいた項目 | なし | 年収 |
「まず登録だけしてみたい」という段階の人には、この軽さはありがたいと思います。年収を聞かれないので、給与明細を探しに行く必要もありません。
ただし、この軽さには続きがあります。登録で聞かれなかったことは、全部あとで面談で聞かれます。
「7日以内に連絡します」と書いてあったのに、1営業日で来ました
登録直後に届いたのは自動返信のメールでした。そこにはこう書かれていました。
「7日以内に担当からご連絡させていただきます」
正直、1週間は長いなと思いました。前に登録したエージェントは、登録した直後に面談日程の案内まで来ていたからです。
ところが実際は、土曜に登録して、月曜には連絡が来ました。実質1営業日です。
「速い」ことと「約束を守る」ことは、別の指標なのかもしれません。
もうひとつ、細かいことですが感心した点があります。自動返信のメールに、「7日以上経過しても連絡がない場合は、こちらまでお知らせください」と窓口が書いてあったことです。
連絡が来ないかもしれない、という前提で、先に逃げ道が用意されている。設計として誠実だと感じました。
面談は1時間。登録が軽いぶん、全部聞かれます
面談はウェブで、1時間ちょっとかかりました。
登録でほとんど何も書いていないので、当然ながら、面談の中で全部聞かれます。いまの仕事の中身、経験年数、チームの規模、マネジメント経験、転職を考えた理由、希望の条件、年収、家族構成、語学。
最初は「長いな」と思いました。でも終わってみると、この長さがあってよかったと思っています。
短い面談だと、エージェント側もこちらのことが分かりません。そしてこちらも、相手がどんな対応をしてくれる人なのか分からないまま終わります。お互いに探り合ったまま次に進むのは、正直こわい。
候補は5日ぶん。平日の12時から20時まででした
日程は、担当者の方から5日ぶんの候補がまとめて届く形でした。自分で希望日を書き込むのではありません。
提示された面談の枠
- 候補は5日ぶん
- どの日も平日の12時〜20時の間(日によっては19時まで)
- 土日の候補はありませんでした
- 午前の枠は、担当者の予定しだい
私はここまで3社のエージェントに登録しましたが、いずれも20時開始が最後の枠でした。業界の慣習なのかもしれません(3社しか知らないので、断定はできませんが)。
正直な話、働きながら1時間を空けるのはきついです
ここは正直に書いておきます。平日に、まとまった1時間を確保するのは、かなり大変です。
面談の中身が濃いのはありがたいのですが、そのぶん時間がかかります。フルタイムで働きながらだと、有給を取るしかない場面も出てくると思います。
面談の長さは、会社によってまったく違います
前に受けたエージェントは30分の枠でした。ここは1時間超。「30分で終わるだろう」と思って予定を組むと、確実にはみ出します。
日程を決めるときは、後ろに予定を入れないことをおすすめします。
「転職活動は、キャリアのチューニングです」
面談の序盤で、担当者の方からこんな言葉が出ました。
転職活動というのは、キャリアの最適化なんです。
生き方や働き方を、あらためて調整するという意味で活用してもらえばいい。
正直、意外でした。エージェントは、転職させることで報酬を得る仕事です。その人から「必ずしも転職しなくていい」という方向の話が出るとは思っていませんでした。
担当者の方自身の、うまくいかなかった話
その言葉の背景として、担当者の方がご自身の転職活動の経験を話してくれました。
20代の後半に、初めて転職活動をしたそうです。動機は「有名な会社に勤められたらかっこいいな」というくらいのもので、名の知れた企業をいくつか受けた。
そして、受からなかったそうです。
でも、そこで終わりではありませんでした。面接を受ける過程で、その会社がどういう視点で働いているのか、何を大事にしているのかを知ることができたと言うのです。
だから、と話は続きます。
必ずしも内定を取ることが目的でなくていい。
今のままで、今の会社の働き方でいいんだと思えれば、それが一番いいかもしれない。
自分の商売と逆を向いた話を、先に出してくれた。私が「この人は信頼できそうだ」と感じたのは、たぶんここです。
営業トークではなく、うまくいかなかった経験の共有だったからだと思います。
海外では、勢いのある会社から移ることも珍しくないそうです
「キャリアのチューニング」という言葉は、それだけだと抽象的です。でも担当者の方は、具体例を出して説明してくれました。
海外では、業界でいま一番勢いのある会社から、そうでもない会社へ移ることも珍しくないそうです。実在の大手企業を例に挙げて話してくれたのですが、聞いたときの私の感想は「え、その会社から? なんで?」でした。
でも、向こうの感覚は違うのだそうです。
海外のキャリア転職の考え方(担当者の説明)
- 自分が求められている、魅力的なポジションやミッションに対して動く
- 会社の業績よりも、そちらを見ている
- 「自分がどう活躍したいか」に重きを置いた活動
私たちはつい「いい会社に行く」と考えます。でも会社ではなく、自分の役割を選ぶ。そういう見方があるのだと知りました。
この視点が、あとで出てくる厳しい話とつながってきます。
工程の話は通じたのか。答えは、途中でひっくり返りました
私がこの面談でひそかに試したかったのは、半導体の工程の話がどこまで通じるかでした。
そこで「どんな工程の求人が多そうですか」と聞き、自分が担当している工程の名前を、噛み砕かずにそのまま出してみました。
返ってきたのは、求人をさっと見てくれたあとの「広いですね」という一言でした。具体的な工程の話にはなりません。
その瞬間は、正直こう思いました。半導体のプロセスを、具体的に知っているわけではないのかなと。
ただ、これは当たり前のことでもあります。エージェントは製造業やエンジニアの話を、広い守備範囲で持っていなければいけない立場です。ひとつの工程に特化しているわけがない。
ところが後半、相手の口から専門用語が出てきました
話題が変わり、自分をどうアピールするか、企業側は何を求めているかという話になったときです。
こちらが一度も出していない専門用語が、担当者の方の口から自然に出てきました。
私が振った話ではありません。相手が自分から使った言葉です。
おそらく、いろいろな企業を訪問して採用の相談を受けるなかで、たくさんの求人情報に触れているのだと思います。そうしていれば、言葉は自然と身についていく。
こちらの言葉に反応するのは、受け身でもできる。
でも自分から使う言葉は、知らないと出てこない。
同じ面談の中で、評価がひっくり返りました。試すなら、こちらから振るより「相手が自分から何を言うか」を見た方が正確です。
「初心者として入ります」では通用しない
ここからが、この面談でいちばん厳しく、いちばん役に立った話です。
私は「いまとは別の工程も経験してみたい」という希望を伝えました。そのうえで「20代・30代の求人が多いのか、40代でもあるのか」と聞きました。
返ってきた答えは、直接的な言い方ではありませんでしたが、要するにこういうことでした。
採用する側の視点
採用する企業には、すでに同じ年代の社員がいます。その人たちと比べて、より活躍してくれるかどうかという視点で見られます。
だから「まったく異なる領域に、初心者として入ります」では通用しません。
自分の希望に対して、はっきり厳しい方の答えを返してくれた。ここも信頼できると感じた理由のひとつです。
では、どう言えば通るのか
担当者の方が示してくれた方向は、こうでした。
「自分はこの領域を熟知している。だから、その前後の領域でも活躍できる」
──いまの強みから、新しい領域へ橋を架ける形なら通る。
「勉強したいから」「興味があるから」では、キャリア採用は通りません。
いまの経験のどこが、次の仕事に効くのか。その橋を、自分で架けて見せる必要がある。これがキャリア採用というものなのだと、腑に落ちました。
さきほどの「会社ではなく、自分の役割を選ぶ」という話と、同じことを言っています。役割で選ぶなら、その役割で自分に何ができるかを語れなければいけない。
年齢の壁は、育成コストの壁でした
年齢についても聞きました。答えは「年齢制限はない」。ただし、30代後半に差しかかると、あまりにもかけ離れた領域は難しいとのことでした。
ここで、興味深い話を聞きました。
メイテックネクストは、以前は第二新卒のような若手の採用のイメージが強く、企業側からの要望もそうだったそうです。
ところがコロナ後、若手を育成できる環境が十分にない企業が増えたといいます。そこで「若手である必要はない。入ってすぐ働いて活躍してくれる人がいい」という需要が高まった。
だから30代・40代でも、まだまだ需要はあるという話でした。
これ、一見すると「40代は難しい」という話と矛盾して聞こえます。でも並べてみると、同じことを言っています。
年齢の壁は、育成コストの壁だった。
育てる前提の求人が減ったから、若手である必要がなくなった。
でも同時に、育ててもらう前提では入れなくなった。
アピールできるのは「自ら動いた経験」
もうひとつ、書き留めておきたい言葉がありました。
「自ら進んでやっている仕事かどうか。ここが結構重要です」
担当者の方いわく、「与えられた仕事の中で頑張っています」は、普通なのだそうです。業界の大手を狙うなら、それは当たり前のレベルだと。
ゼロから仕事を持ってきた、というほどでなくていい。でも「ここは自分で能動的に動いた」と自信を持って語れる経験やストーリーは、持っておいた方がいい。
職務経歴書を書く前に、自分から動いた場面を棚卸ししておく。これはすぐにでもやっておこうと思いました。
業界の外から半導体に入れるのか。現役目線の本音
ここは、面談の内容というより、話を聞きながら私が考えたことです。
正直に言うと、まったくの別業界から、この年代で半導体に入るのは結構難しいだろうなと感じました。担当者の方の話を聞いていて、そう思いました。
ただ、話はそこで終わりません。製造業に関わっているなら、あるいは科学的な実験や条件出しに関わっているなら、私は全然いけると思っています。
中で働いていて思うこと
これは業界の中にいるからこそ言えることですが──化学反応やメカニズムに本当に詳しい人は、半導体のプロセス業界にも、決して多くはありません。
実験をする上で、現象のメカニズムやモデルは最低限考えた上で条件を最適化していくものではありますが、実態としては、経験則に頼るという進め方もかなりあります。
だからこそ、原理原則に基づいて仮説を立て、考察し、実験条件を組み立てられる人は貴重です。周りを見ていても、そう感じます。
そういう力は、半導体でなくても身につきます。製造業の生産技術でも、化学系の実験でも、条件出しの仕事でも。
業界が未経験でも、隣接する経験があるなら、ハードルを自分で上げる必要はありません。
エージェントの方は「まったく異なる領域に初心者として入るのは通用しない」と言いました。私は「隣接する経験があるなら通用する」と思っています。
これは矛盾していません。「まったくの異業種」と「隣接する経験」は、別物だからです。
大事なのは、自分の経験が、どこで隣接しているのかを自分で見つけて、言葉にできるかどうかだと思います。
求人の紹介は、これからです
面談の最後に、求人の渡され方について確認しました。
メイテックネクストは、面談の内容を踏まえて、担当者の方が「いいと思う求人」を紹介してくれる形とのことでした。
前に登録したエージェントは「こういう探し方をしてみてください」と検索の軸を渡す形だったので、ここははっきり違います。
実際にどんな求人が届くのかは、これからです。届いたら、この記事に追記します。
まとめ:会社を選ぶのではなく、自分の役割を選ぶ
1時間の面談で、求人の情報そのものは、ほとんど増えませんでした。
でも持ち帰ったものは、想像していたより大きかったです。
この記事の要点
- 登録は3分。年収も聞かれない。まず登録だけしたい人には入りやすい
- そのぶん面談は1時間超。平日に確保するのは正直きつい
- 「転職しなくてもいい」と言ってくれる中立さがあった
- 「初心者として入ります」では通用しない。いまの強みから橋を架ける
- 年齢の壁は育成コストの壁。即戦力なら30代・40代でも需要はある
- アピールになるのは「自ら動いた経験」
いちばん残ったのは、この考え方です。
会社を選ぶのではなく、自分の役割を選ぶ。
「いい会社に行きたい」と考えているうちは、たぶん何も決まりません。そのポジションで自分に何ができるのか。そこを言葉にできて初めて、話が動き出す。
私はいま、すぐに転職するつもりはありません。それでも、この1時間は無駄ではありませんでした。「今のままでいいと思えれば、それが一番いいかもしれない」と言われたことも含めて。
なお、この記事は3社のうちの2社目の記録です。1社目の記録と、3社そろってからの比較記事も用意しています。1社だけだと「そういうものか」で終わりますが、並べると違いが見えてきます。
1社目の記録は「マイナビ転職メーカーエージェントの評判は?半導体エンジニアが登録・面談した記録」に書いています。半導体の現場が実際どんな仕事なのかは「半導体プロセスエンジニアの1日は?」を、年収の実態は「半導体エンジニアの年収は本当に高い?」もあわせてどうぞ。

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