JACリクルートメントの登録ページで、「ハイクラス」「管理職」という言葉を見て、手が止まりませんでしたか。
私はそうでした。役職があるわけでもない自分が登録して、まともに相手にしてもらえるんだろうか。
やっかいなのは、エージェントは登録してみるまで中身が分からないことです。面談の形も、求人の渡し方も、会社ごとにまるで違います。
知らないまま入ると、誰と何を話しているのか分からないうちに1時間が終わります。私は1社目で、それに近いことをやりました。
現役の半導体プロセスエンジニアである私が、JACリクルートメントに登録して、ウェブ面談と対面の2回を受けてきました。
結論から書きます。3社を回っていちばん違ったのは、求人の数でも担当者の熱意でもなく「誰が求人を選んでいるか」でした。
この記事では、面談に6人出てきた理由と、10日で届いた求人57件の中身を、そのまま書きます。
読み終えるころには、JACが自分に合うかどうかを登録する前に判断できます。ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 登録にかかる時間と、面談の前に書かされるもの
- 面談に6人出てくる理由。他の2社と何が違うのか
- 30代後半から別の領域へ移れるのか。エージェントの答え
- 10日で届いた求人57件の業種の広がり
- 面談は何時まで受けられるのか
結論:先に4つだけ
長くなるので、答えを先に置いておきます。
この記事の結論
- 担当は1人ではない。企業ごとに別のコンサルタントがつく
- 「30代後半から別の領域へ」は現実的。ただし年収は下がることがある
- 求人は10日で57件。半導体に関わる会社は、思っていたより広い
- 面談は22時まで受けられる。3社の中でここだけだった
2つ目が、この2回の面談でいちばん聞きたかったことでした。3つ目は、業界の中にいる私が驚いた話です。
登録は10分。そのあとに「宿題」が来ます
登録そのものは、5分から10分で終わりました。
特徴的だったのは勤務地の選び方です。JACは希望勤務地がチェック項目で並んでいて、自分で選ぶ形でした。面談の日程も、候補を待つのではなく、自分で希望日と時間帯を入力します。
| JACリクルートメント | 前に登録した2社 | |
|---|---|---|
| 登録の時間 | 5〜10分 | 3分/20分 |
| 勤務地 | 登録時にチェックで選ぶ | 面談で口頭 |
| 面談日程 | 自分で希望日を入力 | 担当者から候補が届く |
| 面談前の記入 | あり(後述) | なし |
そして登録のあと、面談の前に記入フォームの依頼が来ました。これが3社の中でいちばん作り込まれています。
面談前に書かされたもの
- 転職で重視することの、順位付け(年収・勤務地・職種などを並べ替える)
- 年収を「内訳」で記入(月給/残業手当/賞与/その他手当)
- 活動の温度感を選択(まずは相談したい/積極的に活動したい)
正直、書くのは面倒でした。でもこの宿題が、あとで効いてきます。
1社目の面談で、私は勤務地の希望をうまく伝えられませんでした。口頭だけだと、限られた時間の中で言いそびれるんです。先に書かせる形は、言いそびれを防ぐ仕組みになっています。
面談に6人出てきました
ウェブ面談は1時間を超えました。それ自体は2社目と同じです。違ったのは人数でした。
画面に出てきたのは、数えてみると6人です。
1時間で話した相手
なぜこうなるのか。JACは、求人を出している企業ごとに担当コンサルタントがついているからです。
A社を受けるならA社の担当と、B社ならB社の担当と話す。私につく担当は1人いるけれど、企業側にもそれぞれ人がいる。二重の体制でした。
| 担当のつき方 | |
|---|---|
| 1社目 | 1名。実感としては最初の面談が中心でした |
| 2社目 | 1名が最後まで伴走してくれる形 |
| JAC | 自分の担当1名+企業ごとのコンサルタント |
正直に言うと、1時間で6人は慌ただしかったです。次々と人が入れ替わるので、最初は何が起きているのか分かりませんでした。
でも仕組みが分かると納得しました。企業のことをいちばん知っている人が、その企業の求人を説明しているわけです。
こちらが振る前に、工程の言葉が出てきました
私はエージェントの面談で、ひそかに試していることがあります。半導体の工程の話が、どこまで通じるかです。
「半導体に強い」と書いてあっても、それが本当かどうかは業界の中にいる人間にしか確かめられません。
ところがJACでは、こちらが振る前に、向こうから工程の言葉が出てきました。
薄膜の生成。EUVマスクのコーティング。私が一度も口にしていない言葉です。
私が担当している装置の名前まで、向こうから出てきました
いちばん驚いたのは、のちに対面を申し入れてくれた方です。
その方は私の勤務先を担当しているとのことでした。そして、社内でしか使わない役職の呼び方まで知っていたのです。「その年齢だと、だいたいこのあたりの立場ですよね」と、具体的な呼び名で言われました。
さらに、私が担当している装置の名前も、向こうから出てきました。
なぜ知っているんだろう、と一瞬固まりました。それだけ業界の中に入り込んでいるということなのだと思います。
ここは、少しだけ身構えたほうがいいところです
相手が詳しいほど、こちらも具体的に話したくなります。でもエージェントは、自分の勤務先に人を紹介する側でもあります。
詳しいことは、聞くのはいい。でもこちらから足さない。そのくらいの意識で臨むのがちょうどいいと感じました。
「30代後半から別の領域へ」は、現実的でした
ここが、この2回でいちばん聞きたかったことです。
私はいま、別の工程も経験してみたいという気持ちがあります。でも年齢のことを考えると、現実的なのかどうか分かりませんでした。
答えは、はっきりしていました。30代後半から別の領域へ移るのは、現実的に可能。
実際に40代の方も、53歳の方も、別の領域へ移って活躍しているという話でした。
「年齢がネックになる」はよく聞く話だけれど、30代後半なら、そこまでのハードルではない。そう言われました。
決め手は「ニッチさ」でした
なぜ移れるのか。理由を聞いて、腑に落ちました。
ニッチな分野で活躍していた人を、
さらにそのニッチを必要としている会社が採る。
広く浅くではなく、狭くて深いことが武器になるという話です。自分の領域が狭いと感じている人ほど、聞いておく価値があると思います。
ただし、年収は下がることがあります
ここは正直に書いておきます。
別の領域へ移ると、どうしても年収面では下がりやすいとのことでした。キャリアダウンになることは、往々にしてあると。
それでも、働き方や「どの分野で、どんな状態で働きたいか」を優先するなら、十分にありだという話でした。
そして、必ず下がるわけでもありません。職種によっては同等、あるいは上がることもある。だから長い目で、活動を続けていけばいい。
「今の会社に残る」も選択肢だと言われました
そのうえで、こう言われました。
他社への転職だけが答えではありません。
最終的に今の会社に留まるというのも、選択肢のひとつです。
これ、実は2社目でも同じことを言われました。「今のままでいいと思えれば、それが一番いいかもしれない」と。
転職させることで報酬を得る立場の人が、2社とも同じことを言った。偶然ではないのだと思います。
対面でもう一度会って聞いた、人が会社を移る3つの理由
ウェブ面談のあと、対面での面談を申し入れてもらいました。仕事終わりに、カフェで1対1です。
そこで聞いた話がこれです。実際に会社を移っていく人には、大きく3つの理由がある。
人が会社を移る3つの理由
意外だったのは、2つ目と3つ目でした。
転職と聞くと、上を目指す話ばかりを想像します。でも実際には、「落ち着きたい」「動かざるを得ない」という理由で動く人も同じくらいいる。
転職は、前に進むためだけのものではないんだなと思いました。
求人は10日で57件。半導体に関わる会社は、思っていたより多い
ここが、業界の中にいる私がいちばん驚いた部分です。
ウェブ面談の中で、その場で4件の求人を紹介されました。事前に書いた記入フォームをもとに選んだものです。
その後、マイページとメールで求人が増えていきます。10日ほど経って数えてみたら、全国で57件ありました。
驚いたのは件数より、業種の広がりです。
届いた求人の業種
- 半導体のデバイスメーカー
- その先にある、部品や部材を供給する会社
- 半導体向けのガラスを扱うガラスメーカー
- 材料メーカー
- プリント基板の会社
- コンサルティング会社
- 外資系も複数
正直に言うと、業界の中で10年働いている私でも、知らない会社がありました。
普段やりとりするのは、決まった相手です。その外側に、これだけの会社が半導体に関わっている。自分の見ている範囲は、業界のごく一部でしかなかったと気づかされました。
「半導体業界に入りたい」と考えたとき、多くの人はデバイスメーカーと製造装置メーカーくらいしか思い浮かばないと思います。私もそうでした。
でも入り口は、思っているよりずっと広い。これは、業界の外から入りたい人にこそ知ってほしい話です。
メールは多い。でも、中身が違いました
求人が57件も届くということは、メールもそれだけ来るということです。
しかもJACは企業ごとに担当がいるので、会社ごとに別の人からメールが届きます。受信箱はそれなりに賑やかになります。
ここで、1社目のことを思い出しました。1社目も、メールはかなり増えました。
でも中身がまったく違いました。
| メールの数 | 中身 | |
|---|---|---|
| 1社目 | 多い | 希望とずれたものが混ざっていた |
| JAC | 多い | どれも候補になるものだった |
同じ「多い」でも、受け取る側の気持ちはまるで違います。
面白かったのは、私が書いた希望の外からも届くことです。「この経験なら、こちらも合うのでは」という提案が混ざっている。それが的外れではないので、素直に読めます。
「メールが多い=雑」ではありませんでした。数ではなく、選び方の問題だったんだと思います。
面談は22時まで。3社の中でここだけでした
ひとつ、自分の思い込みを訂正します。
私はこれまで、エージェントの面談は20時開始が最後の枠だと思っていました。1社目も2社目もそうだったので、業界の慣習なのだろうと。
違いました。JACは22時開始まで対応できるそうです。
ただし条件があります。システム上、22時を超えると強制的に終了してしまうとのこと。そのため22時台の場合は、ウェブ面談ではなく電話での案内になります。
| 面談の受付 | 土日 | |
|---|---|---|
| 1社目 | 11時〜20時開始 | 候補には出ませんでした |
| 2社目 | 12時〜20時開始 | なし |
| JAC | 朝8時半ごろ〜22時開始(22時台は電話) | 受け付けていません |
働きながら動く人には、ここが効きます。
平日に1時間を空けるのは、正直かなり大変です。20時開始だと、退勤して帰宅して、すぐ準備という慌ただしさになります。22時なら、家のことを済ませてからでも間に合う。
ちなみに土日は、JACでは受け付けていませんでした。エージェント業界全体では会社によって違うようですが、ここは会社ごとに確認するしかなさそうです。
まとめ:3社を回って、いちばん違ったのは「選び方」でした
3社に登録して、面談を4回受けました。同じ「転職エージェント」でも、中身はずいぶん違いました。
この記事の要点
- 登録は5〜10分。そのあとに記入フォームの宿題がある(これが言いそびれを防ぐ)
- 面談に6人出てくる。企業ごとにコンサルタントがつく体制だから
- 「30代後半から別の領域へ」は現実的。決め手はニッチさ。ただし年収は下がることもある
- 「今の会社に残る」も選択肢だと言われた。2社目と同じだった
- 求人は10日で57件。ガラス、材料、基板、コンサル、外資まで入り口は思ったより広い
- メールは多い。でもどれも候補になった
- 面談は22時まで。ただし22時台は電話。土日はなし
いちばん残ったのは、求人そのものではありませんでした。
自分が思っていたより、半導体に関わる会社はずっと多い。10年いても、見えていたのはその一部だけでした。
私はいま、すぐに転職するつもりはありません。それでも「動けるとしたら、こんな選択肢がある」と具体的に見えたことは、思っていた以上に大きかったです。
選択肢を知らないまま「今のままでいい」と思うのと、知ったうえで「今のままでいい」と思うのは、たぶん別のことなんだろうな、と感じています。
この記事は3社目の記録です。1社目は「マイナビ転職メーカーエージェントの評判は?半導体エンジニアが登録・面談した記録」、2社目は「メイテックネクストの評判は?半導体エンジニアが面談1時間で言われた厳しい話」に書いています。半導体の現場が実際どんな仕事なのかは「半導体プロセスエンジニアの1日は?」もあわせてどうぞ。

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